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★ インドどたばた紀行 ★


「よし、インド行こう!」協力隊の訓練が始まる前、会社も辞め、勢い余ってそう決断したのがコトの始まりだった。

眠い。フライトはエアインディア(AI809)。12:00出発だ。
昨夜は親戚(妹の旦那と従兄弟の旦那)と飲んでいたので、寝た時間と起きた時間がほとんど変わらない。京成線普通列車で成田空港へ向かう。
無事に飛行機に乗り込んだ。おお!?これはっ。。 なんだかスパイシーな雰囲気で目がしょぼしょぼする!? インディアだぁ。 乗客は日本人風とインド人風がほぼ半々くらい。
飛行機は無事に助走を開始し、ググッと機体が持ち上がり始めた。この瞬間! 僕が最も感動する瞬間のひとつ。この巨体が滑走路から離れる瞬間に人類の英知を実感する。しかし突然「バタバタバタッ」天井から水がしたたり落ちてくるではないかっ。 「うへぇ!」思わず口に出してしまったのを聞いて、隣に座っていたインド人夫婦が笑っている。笑い事じゃない。ちり紙を天井の隙間に突っ込んで難を避け、ふと見ると天井の至る所にちり紙が差し込んである。うむむ。
機内食はマトンカレー。結構本格的なインド料理だ。隣の旦那は手で上手に食っている。パーパル(ナンを薄っぺらくしたようなパリッとしたやつ)やレモンの漬物について教えてもらった。とってもうまかった。

窓から外を見下ろすと、いつのまにか陸地の上だった。おそらくカンボディア上空あたりであろう。地上の様子がはっきりわかる。密林、畑、湿地。河川が氾濫している沼地地帯もあったが、人が住んでいる気配も無く、自然のままの地球という感じがした。

バンコク(経由便)で、1時間程度停泊した。やな予感が的中した。半分くらい居てくれた日本人風がほぼ全員降りてしまったではないか。カシミール地方等に観光旅行延期勧告が出ている時期(NY同時多発テロの影響)だったので、旅行に行くべきかどうか、結構悩んで出発を決意したのだが、まさかほんとに日本人が全然居ないとは思わなかった。結構焦った。
補給物資搬入のためドアが開いていたので、外の空気を吸うことが出来た。11月だというに気温は30度もあるらしい。それ以上にすごい湿気で、既に日本から遠く離れていることを体感できた。

ふと気づくと、機内では裸足でうろうろしている人が何人も居た。ずるずるインドに引き込まれていくような気がして、ほんの少し焦りを感じ始めた。


ボンベイ到着は定刻より1時間遅れて深夜1時。 空港から出た瞬間のあの雰囲気は忘れることができない。うわーっという人だかりが一斉に僕に向かって何かを言っている。ためらっていても仕方が無いので、勇気を出してその人だかりの中に入り、ホテルの送迎車の運転手を探す。運転手だと名乗る男が居た。空港の駐車場に案内され、乗れという。ヘッドライトは割れている。でもよく見ると周りの車も全部そうだ。信じるしかない。
暗闇の中をその黒い車は走り始めた。路上にはたくさんの人が居る。でも、ライトが灯いてないので、よく見えない。交差点も車線も対向車も気にしない走り方なので、2度ぶつかりそうになった。お互いに何か文句を言い合っている。
なんだかよくわからないまま、約30分で無事にホテルに到着。部屋に入って、ようやく落ち着いて状況を考えられるようになった。明日からの宿をどうするか、空港の銀行が閉まっていたので、お金も無い。どうしよう。地図を広げてあれこれ考えた。あ、もう5時になってる。明日考えよう。

インドで初の目覚め。けっこう気持ちいい。あ、でもここはインドなんだ。ちょっと緊張する。フロントの公衆電話で帰国便のリコンファームを試みる。雑音がひどくて良く聞こえない。小銭が少ししかないので躊躇してる場合ではない。大声で話す。相手も親切に大声で話してくれる。でも結局、ニューデリーでのホテルをきちんと決めてないと、受け付けてくれないらしい。あきらめて出発することにした。
外はとても天気が良く、昨夜の不気味さは見当たらなかった。観光名所、インド門に到着。とにかくすごい人ごみだ。観光客やらぶらついている人やら寄付やら案内やら客引きやら怪しい白い粒を食べろと勧めてくる輩から。断っても無視しても、次々に寄って来る。
インド門周辺をゆっくり歩いて、安宿を探そうと思っていたのだが、その余裕はまったく無いので、HOTELの文字を頼りに適当に入ってみる。格安ではなかったが、ここにすることにした。リュックを部屋に置き、改めて外の喧騒に挑戦する。
手ぶらになって歩いてみて、初めて気が付いた。誰も寄って来ない。手ぶらというのがこれほど効果があるのは不思議なくらいだった。ホテルに置き去りの荷物は無くなる可能性もあるけど、大した物も入ってないし、この効果はうれしい。
駅を見てみようと思い、ボンベイの終着駅「CharchGate」に向かった。さすが大陸の終着駅、ごったがえしている。物売りやら売店やらスタンドバーやら、鉄道駅の賑やかなこの雰囲気はとても心地がいい。数駅先のボンベイ最大の駅「BombayCentral」に行ってみる事にした。
切符売り場。1等と2等があるらしいので2等切符を買った。ホームに居ると、すぐに列車が入ってきた。これかあ。突然興奮が絶好調に達した。ドアの無い客車から人がたくさんはみ出してる。まだ停車してないのにどんどん飛び降りてる。すげええ。っと思っていたら突然別のホームから列車が出発し始めた。うおっ、何もいわずに走り出すのかあ。みんなの真似をして、急いで走り寄って飛び乗る。みんなはみ出してる。僕もみんなの真似をして、はみ出してみる。すげえ。風が気持ちいいぜ。インドだぜ。
よく見ると、車内は普通だ。きれいとは言えないけど、椅子もある。でも、なぜか多くの人がはみ出して乗ってる。なぜだ。風が気持ちいいからか。いや、これがかっこいいんだ。きっと。ちびっこ達は調子にのって、思いっきりはみ出して、その量を競い合っている。時々信号機やら、それをよけなくてはぶつかってしまう障害物がやってくるので、それをぎりぎりでよける遊びもしている。と、そのうち近くの大人があぶねえぞ小僧。と言わんばかりに新聞紙でひっぱたく。一瞬おとなしくなったちびっこ達も、30秒もするとまた始める。

沿線には、とても簡素な、今にも崩れそうな住居が延々と続いている。それでも、犬を飼い、窓辺に植木を並べ、「人間らしさ」を改めて感じた。インド初日にして、いろんなことを考えた。

つづく





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